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外科手術用パワーツール

手術室で外科医は様々な充電池式の手術器具を使っています。これらの器具は高精度で信頼性が高く、頻繁なオートクレーブ・サイクルに耐えるものでなければなりません。そこに使用されているマイクロモータにも、同様の高い要件が課されています。

事故。骨折。緊急手術。患者に最善の処置を施すため、外科医はてきぱきと処置を進めます。折骨はプレートとボルトで固定させる必要があり、外科医は骨切削ドリルを手に取ります。

このような場面は世界中の病院で日常的に見られます。そして至る所で、このドリルのような外科医の負担を軽減する電動装置が活用されています。このようなパワーツールは、以前は身体の一部を切断しなければならなかったような重度の怪我の処置を可能にするものです。パワーツールの技術の進歩に伴って低侵襲性の治療が可能になり、身体への影響を最小限に抑えて回復を早めることができるようになったのです。

高回転数で組織を除去

外科手術用ハンドツールの外観は大工用工具にとても似ていますが、精度、熱放射、振動の面では比べものにならないほど高い要件を満たすことが求められています。また、信頼性の高さもこのような医療器具には重要な側面です。パワーツールに課される高い要件は、パワーツールを駆動するDCモータにも同様に要求されます。そのため、長寿命と高回転数を特徴とするブラシレスDCドライブシステムはまさに最適であると見なされています。

長寿命・高回転数というこの2つの特徴は、ひざや肩の関節の手術において組織や軟骨を手際よく正確に取り除くシェーバー(画像を参照)に不可欠です。シェーバーは、長い貴金属管と、管の先端に回転式カッター付きの開口部が備わった器具です。この器具の理想的なドライブシステムとしては、ブラシレスmaxon EC 13モータとGP 13プラネタリギアヘッドとの組み合わせが考えられます。1分間で9万回転するこのモータは気密密閉されており、耐腐食性に優れています。この特性も、頻繁に食塩水に直接接触するシェーバーには重要な要素です。また、外科医が作業をしやすいようにモータの熱放射や振動も最小限に抑える必要があります。

できるだけ多くの減菌処理に対応するDCモータ
「外科手術用ハンドツールの運転条件は極めて過酷です」マクソンでシニアプロジェクトリーダーを務めるアンソニー・マイヤー氏は言います。ドライブシステムはまず、強い振動に耐えなければなりません。さらに、過負荷状態(トルクまたは回転数)での高温環境、厳しい減菌/洗浄要件による水分およびアルカリ性溶剤との頻繁な接触という条件も加わります。アンソニー・マイヤー氏は言います。「幸いなことに、マクソンの DC モータとギアヘッドはこれらすべての条件下で素晴らしい性能を発揮しました」。ただし、マクソンの自社ラボで繰り返された広範な開発工程とテストが、この成功に大きく寄与していることも忘れてはなりません。

外科手術用ハンドツールの運転条件は極めて過酷です」。
アンソニー・マイヤー氏(マクソンのシニアプロジェクトリーダー)

手術室で使用される DC モータの開発における難関のひとつは、頻繁に繰り返される減菌処理です。手術中に患者の身体に触れる器具は全て、使用前に蒸気消毒されなければいけません。器具は、オートクレーブ内で 2.3 bar、湿度 100%、134℃で20分間加熱されます。アンソニー・マイヤー氏によれば、最新のテストでは、厳選された素材と重要部品の保護(気密密閉されたロータ)によって、2000 回を超える蒸気処理に耐えうるモータが実現可能であることが示されています。同時に、ドライブシステムも将来的にはさらに小型化および軽量化され、出力も増加します。これにより、外科手術の正確性および効率は今まで以上に向上することでしょう。このことは、ひいては患者の回復が早まることにもつながるのです。

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