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地球上空400 kmにて

国際宇宙ステーション (ISS) は、最高技術を駆使した傑作です。maxonのドライブシステムも実験ロボットに組み込まれるなどして、世界で最も高い場所にあるこの研究ラボに「乗船」しています。

国際宇宙ステーション (ISS) が地球の公転軌道を回り続けるようになってからすでに15年。ISSは国際的な研究ステーションとして、アメリカ合衆国のNASA、ロシア連邦宇宙省 (Roskosmos)、欧州宇宙機関 (ESA)、カナダ宇宙庁 (CSA)、そして日本の宇宙航空研究開発機構 (JAXA) が共同利用しています。ISSが運転を開始したのは2000年11月。以来、すでに216人の宇宙飛行士がこの宇宙ステーションへと飛び、ステーションの拡張や数々の研究を行ってきました。2001年から数えると、実に計63か国が全部で900以上の実験を実現しています。
重力がかかっていない状態での植物の生長方向や、宇宙において人間の筋肉や骨が退化する理由、そして無重力状態における人間の免疫担当細胞の反応などについて研究が行われてきました。このような研究の背景には、宇宙で宇宙飛行士の免疫システムの機能低下が現在すでに判明しているということがあります。正確に言えば、宇宙にいる人間の免疫システムは高齢者の劣化した免疫システムにたとえられるというのがルツェルン大学BIOTESCチームのリーダー、アレクサンドラ・デシュヴァンデン氏の説明です。同チームは2015年1月初めに、2つの研究プロジェクトをSpaceX社のドラゴンカプセル型宇宙船に託してISSに送っています。
ISSでの実験には、さまざまな実験器具を含む技術的設備が不可欠です。また、宇宙飛行士に代わって任務を遂行するロボットや、宇宙飛行士の傍らで彼らを支援するロボットも、非常に重要な役割を果たしています。

特殊なロボット実験

そのようなロボットの実験のひとつ、「REX-J」(Robot Experiment on JEM) が2012年から2013年にかけて、ISSの日本実験棟「きぼう」(JEM)で行われました。このロボットは宇宙航空研究開発機構JAXAによって開発されました。実験の目的は、宇宙ステーションの表面および内部を移動し、荷物を移動したり、点検・検査を行うこともできる新世代のロボット(アストロボット)の開発です。
このロボットのユニークな点は、テザーを利用した特別な移動手法にあります。ISSには宇宙飛行士が船外作業を行う際の安全確保のためにハンドレールがすでに取り付けられていますが、テザーはこのハンドレールにフックで固定されます。この可動式ロボットには伸縮可能なアームがついており、アームの先端にはロボットハンドが固定されています。ロボットハンドはテザーを異なる位置に移動させ固定することができ、 これによってロボットは「蜘蛛のように」ステーションの表面を移動することが可能になります。ロボットの制御は地上からの遠隔操作によって行われるため、ISSのクルーのサポートを必要としません。

正確な動き

伸縮可能なロボットアーム部分をはじめ、REX-Jにはマクソンのドライブシステムが複数搭載されています。ロボットの手首は垂直・水平方向の 2つの自由度を備え、 手首関節や伸縮可能なアームにはブラシレスEC-maxモータ、プラネタリギアヘッドおよびエンコーダが内蔵されています。

モータの制御電子機器はロボットアームの先端にあります。その他、ロボットの旋回機構、ケーブルスプール(巻き戻し装置)などにもマクソンのドライブシステムが搭載されています。

REX-Jによる実験はすべて成功を収めています。今後、JAXAはロボットシステムの開発をさらに進め、 たとえばISSデバイスのモニタリングや、宇宙ステーションの外殻の損傷を認識するための外観検査など、将来的には宇宙での多種多様なタスクのためにロボットを投入できるようにする予定です。さらに、宇宙空間における大型構造物の取り扱い等をロボットがいずれは行えるよう、開発が進められています。

 © maxon motor ag

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