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12輪台車ロボットで水中配管の点検

発電所の水中配管を点検するには、人の手のような繊細な感覚と器用さが求められます。さらに、この用途に使用する台車ロボットは、20m の深さまで潜水できるものでなければなりません。この新型海水マニピュレーターは、水中の配管に進入して検査するように設計されています。ロボットの機動 的な駆動を実現するのは、マクソンのREモータです。

ロボティクスの世界では、周辺環境との物理的相互作用を可能にする装置をマニピュレーターといいます。この相互作用を実現するために、台車ロボットにはそれに必要なツール、グリッパまたは計器が装備されています。海水マニピュレーターの場合には、配管検査に使用する高性能カメラが欠かせません。ドイツのアウクスブルクにあるIbass社は、パイプ内部で検査、研掃、溶接、復旧、吸引するマニピュレーターを開発・製造、販売しています。マニピュレーターはキャリッジ、アプリケーションに必要な作業モジュールおよびカメラで構成されています。これらは電気または空圧で作動するため、ケーブルまたはホースが接続されています。この小型台車ロボットは、発電所や製油所をはじめ、パイプメーカーおよび配管業者をターゲットに開発されたものです。Ibass社のミヒャエル・シュトラーサー代表取締役は、「組立工程では、継目に欠陥のない溶接をするよう注意しています」と言います。

海水マニピュレーターは、発電所の冷却水配管の目視検査に使用されます(この作業には海中でも使用できるマニピュレーターが必要)。さらに、このタイプのマニピュレーターは、防水仕様のホイールが不可欠な配管内側のコーティング作業にも使用できます。Ibass社が開発した海水マニピュレーターは、内径550~780mmのパイプに進入して検査します。このパイプ内径は、空圧シリンダの軸方向ストロークまたははさみ機構の振れ量によって決まります。

はさみ機構は各フレームごとに2輪、合計12輪のホイールとモータで作動します。はさみ機構によりこれらホイールのグリップ力は変化させることができるので、コーティングした管内表面もしっかり捕えます。 各はさみ機構1組につき1台、合計6台の高出力REモータおよびプラネタリギアヘッドが駆動力を伝えます。このDCモータの特徴は、90%を超す高効率と、前述の用途には重要な前提条件となる高トルクです。さらにコアレス巻線とネオジム磁石を装備して、超小型で最高パフォーマンスを実現します。Ibass社がマクソンを選択するにあたっては、堅牢性と長寿命も重要な判断基準でした。

マニピュレーターには使用現場にふさわしい耐性が求められるため、モータにも堅牢性が必要になります。例えばマクソンは2bar以内の圧力に耐えることができる、つまり20mまで潜水できる点が、採用の決め手になりました。けん引力は約250kg (2.5kN) におよび、台車ロボットの管内進入距離は最長200mに達します。マニピュレーターの前後には照明装置が付いています。前部には10倍ズーム機能付き高性能カメラと雲台があり、後部にはシングルヘッドカメラが取り付けられています。研掃、点検、復旧など作業内容を問わず、Ibass作業モジュールならどれでも、この海水マニピュレーターに取り付けることができ、曲管は最大5ヶ所まで楽々、進入します。海水マニピュレーターの駆動以外の用途にも、マクソンとギアヘッドが採用されています。例えば染料浸透モジュールなどの作業モジュールは、回転および軸方向調整用にREモータを搭載しています。染料浸透検査では、特殊な検査法で管内表面の亀裂の有無を点検します。現在の工業界ではこのような管内マニピュレーターが重要な補助ツールとして活躍しており、原子力発電所や洋上風力発電施設の安全性および信頼性の向上にも貢献しています。

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