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オープンソースで大活躍の小型ロボット

KUKA youBotは、学術研究や教育のためのオープンソース・プラットフォームとして開発された小型モバイルロボットです。このロボットを構成しているのは、 モバイルプラットフォームとロボットアーム。そしてこれらのコンポーネントを駆動しているのはマクソンのドライブシステムです。

ロボットに段階的に何かを教えること、そして自分で書いたプログラムについて他の人々との情報交換を行うこと。これらは、ロボット工学を学ぶ学生にとって魅力的な学習の場であり、刺激的なチャレンジだと言えます。アウグスブルクに拠点を置くKUKA社は、まさにこうした学術研究や教育のサポートを目的としたyouBotロボットを開発しました。オープンソースのソフトウェアを介して制御されるモバイルマニピュレーターには全方向性の基盤と5段階の自由度を備えたロボット機構が装備されており、商品化から2年弱を経た現在、モバイルマニピュレーション分野における研究および教育のためのリファレンス・プラットフォームとして認知されています。これまでは主に産業ロボットのメーカーとして世界的に知られていたKUKA社は、ロボット工学研究のリファレンス・プラットフォームをオープンソースとして築き上げたことになります。このプラットフォームは、研究者、開発者、そしてロボット工学の学生達が、たとえばイケアの家具を組み立てるための、軽荷重量を運搬するための、あるいは「未来の工場」のコンポーネントの制御用ソフトウェアやアプリケーションソフトウェアを書くことを可能にしています。

KUKA youBotは、全方向に操作可能なシャーシと、シャーシに取り付けられている1~2本のロボットアームで構成されています。シャーシには産業用PCとバッテリーが1つずつ内蔵されています。この産業用PCは、全部で9個あるドライブシステムと、EtherCATを介してリアルタイム(1 ms刻み)で通信します。これらのドライブシステムは、電流、速度、位置の制御に使用することが可能です。また、ロボットのプラットフォームとアームは、それぞれ個別に独立した使用が可能です。youBotのシャーシは長さわずか53 cm、幅36 cm、高さ11 cm弱というサイズで、4つのメカナムホイールに乗って移動します。この特殊ホイールの滑走面はホイール上全体に45°角で配置されている複数のローラーから成っています。それによってyouBotはいつでも並進運動や回転を任意に重ね合わせることができ、 横這い走行や斜め走行を含む全方向性移動が可能となっているのです。
プラットフォーム上には長さ約66 cmのアームが取り付けられており、その先端には、大きさ70 mm、重量500 gまでの物体を移動させることができる2本の指を持ったグリッパがついています。ロボットアームには5つの関節があり、これらはすべてマクソンのドライブシステムによって駆動されています。ここでは、マクソンのモータ、ギアヘッドとエンコーダを組み合わせたものが搭載されこれを実現しています。

最大限にフレキシブルな動きを実現する、特別に開発されたプラネタリギアヘッド

youBot内部の利用可能なスペースは限られていますが、アームやシャーシには複数のモータとプラネタリギアヘッドを収納する必要があります。このため、これらのコンポーネントはロボットアームの関節に直接内蔵されています。これを実現したのは、マクソンとKUKA社が共同で開発した超軽量、正確かつ堅牢な特殊ギアヘッドです。関節はこの特殊ギアヘッドを用いたプラネタリギアヘッドの周りを回転することができるようになっています。
ロボットアームの関節には全部で5つのマクソンブラシレスフラットモータ (EC45 flat, EC32 flat) が特殊ギアヘッドおよびエンコーダと組み合わせて使用されています。またプラットフォームには、マクソン製のブラシレスEC 45フラットモータ4つが使用されています。マクソンのブラシレスEC 45 flatは、コンパクト設計で高度なトルク強度を実現するシンプルな構造を特長としています。これらのフラットモータの出力は15~50 Wですが、にもかかわらずその重量はわずか46~110 gとなっています。ロボットアームの関節はマクソンの位置ロケータ(エンコーダ)と接続されており、関節の角度測定が可能です。

KUKA youBotは開発されて間もないにも関わらず、すでにロボット分野の研究および開発におけるマイルストーンとして認識されています。KUKA社は意識的に新境地を開拓し、研究市場への対応を整えると同時に、技術移転のためのロボット分野のコミュニティへのアクセスを達成しました。Linuxをベースとしたロボットのオープンソースというこのコンセプトにより、研究者・科学者は制限を受けずに自由な活動を展開することが可能になっているのです。

 © maxon motor ag

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