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ワットバランス(電流天秤) : キログラムの再定義

現在私たちが使用しているキログラム単位の基準となっているメートル原器は少し古くなってきました。それに伴い、物理定数に基づいたキロ グラムの再定義への動きが進んでいます。 ワットバランスを用いた様々な電気装置によるこのプロジェクトは、スイス計量認定局 (METAS) において実施されます。

METASは天気予報機関などではなく、メートルやキログラムなどの質量単位を定義する役割を担っています。 現在METASではキログラム単位に関するプロジェクトが進行中です。このプロジェクトのゴールはキログラムの再定義です。今なお、物理定数ではなく1889年に人の手で作られた人工物に基づいて値が定義されている単位はキログラムのみです。 パリに保管されているキログラム原器は、直径、高さともに39 mmの円柱形をしており、プラチナとイリジウムからできています。 キログラム原器は例えば表面の汚れや損耗の影響などから、時間の経過とともに劣化しています。 当初世界中に配布された40個の原器のうち1個はMETASの金庫に収められていますが、 これらの原器を比較したところ、年月を経た現在、マイクログラム単位の誤差が確認されました。

このような不安定性により、キログラムの質量単位も普遍的な物理量によって定義されるべきであると考えられるようになりました。 この計画の実現には様々な電気装置が使用されますが、ワットバランス(電流天秤)を用いた手法も含まれます。 このワットバランスという非常に複雑かつ緻密な測定器具を使うと、複数の大きさを極めて高い精度で同時に測定することができるのです。 METASはマクソンとの提携によりこのワットバランスの開発を進めています。 このような複雑な実験では、機械動力と電力の精密な比較が行われます。

高真空内での実験
マクソンのモータはワットバランスの重要な機能のひとつを受け持っています。キログラムの再定義の実験は高真空条件下で行われるため、ドライブシステムにも高い要件が課せられます。そうした要件を満たすためには、真空に対応したマクソンEC22-HDモータ (100 W) とMRエンコーダ、そして位置制御ユニットEPOS2 24/5が使用されます。
また、粒子の発生を防ぐために使用されるのはマクソンのブラシレスモータのみです。これらのモータは3軸ロボット(質量変換器)に搭載されます。実験の際にはこのロボットが様々な動きをすることで対象物を正確に測定します。マクソン製ドライブシステムの主な役割は、ターンテーブルの正確な動きと単位変換器の各構成部品の水平方向および垂直方向の動きを制御することです。
 

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