スイス製モータが火星内部に深く迫る

マクソンは、火星探査機「インサイト(InSight)」が行う火星探査ミッションに参加しています

火星探査機インサイト(InSight)が火星に着陸し、この岩石惑星の起源を明らかにする作業を開始するまであと数日となりました。この目的を達成するために、測定装置は火星の地下5mまで入り込むことになります。マクソンのエンジニアはありとあらゆる知識を結集し、この役割を十分に担うモータを完成させました。

火星探査機「インサイト(InSight)」が11月26日火星に着陸するのを受けて、宇宙に関心を寄せる人々の期待と緊張が高まっています。計画が順調に進めば、着陸機はその後2年間にわたって様々な観測を行い、火星や地球の起源を理解するのに重要な情報をもたらしてくれるはずです。このミッションは、NASAのジェット推進研究所 (JPL) によって進められています。

モータの力で測定用ドリルが地下5 mまで進む
このミッションに同行しているのが、スイス、オブヴァルデンのmaxon motorのDCモータです。直径22 mmのコンパクトなモータとギアヘッドの組み合わせが、ドイツ航空宇宙センター (DLR) が開発した火星の温度プロファイル測定器HP3に使用されています。具体的に言うと、マクソンのドライブシステムが搭載されているのは、開発者が「モグラ」と名付けたドリルの中です。モータが回転するごとにバネを張り、それが大きな弾みとともに放たれることによって下方に衝撃を与えるという方法で、このドリルは自力で地下5 mまで進んでいきます。このようにして、「モグラ」はより深いところへと数週間かけて進んでいきます。 こうして地中へと進む間、ドリルはセンサを取り付けたケーブルを引っ張っていきます。それらのセンサが送るデータは、研究者たちが火星内部の温度状態を突き止めたり、その起源に関する推論を立てたりするのに役立ちます。火星が地球と同様に岩石惑星であることから、火星の調査結果は、地球についての理解をも深める手助けとなるでしょう。

400 g以上の力のための特殊ソリューション
そもそも、火星は技術にとって優しい場所ではありません。それにもかかわらず、火星では100個以上のマクソンのドライブシステムが確固たる地位を築いています。今回のインサイト(InSight)のミッションにおいても、スイスのエンジニアたちはチャレンジに立ち向かうことになりました。ドリルが効率的に掘り進むには、DCモータは 400 g以上の力に耐えることができなければいけません。そして、その動きは10万回以上繰り返されることになります。様々な試験が行われ、失敗もあった末にたどり着いた適切な解決策が、ベアリングや特別に短くしたブラシに溶接や溶接リングを追加し、大幅にカスタマイズした標準モータDCX 22です。搭載されたギアヘッドGP 22 HDには、火星の条件に見合った潤滑剤が使用されました。

旧知の仲間との再会
ミッションの期間中、探査機インサイト (InSight) にエネルギーを供給するのは2枚の太陽電池パネルです。コスト削減のため、ジェット推進研究所はすでに成果を上げているフェニックス・ミッションの設計を採用しました。このため、太陽電池パネルの展開には既に開発済みのマクソンのDCモータ、RE25が採用されています。このタイプのモータは、火星ですでに14年以上稼働を続けるNASAの火星探査車「オポチュニティ」にも搭載されています。 これにより、火星探査機インサイト (InSight) 内では二世代のマクソンドライブシステムが出会い、ミッションの成功に向けてともに貢献することになるのです。

 

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