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トレーニングロボットを 使った革新的なリハビリ療法

スイスを拠点とする2人のロボット工学の専門家が最新型のコンピュータ制御式レッグプレスを開発したとき、主要ターゲットとして想定して いたのはスポーツ選手でした。ところが実際には、ソフトロボット式トレーニングが怪我や病気を持つ患者のリハビリ治療において驚くほど効果的であることが 判明しました。

このマシンはフィットネスセンターにあるレッグプレスマシンとは全く異なります。シートと2個のペダルがあることは同じですが、共通点はそれだけです。このマシン、Allegro(Adaptive Leg Robot、適応レッグロボット)は、世界に唯一無二のソフトロボット式トレーニングパートナー。これに座った後はただ身をゆだね、すべてをマシンの動きに任せることができます。Allegroには最新式の駆動装置とセキュリティコンポーネントのほかに学習機能付きコンピュータシステムも備わっており、人間と機械が密接に関わることで、驚くべき成果を得られる仕組みとなっています。

空気圧を使った人工筋肉がカギ
Allegroを生み出したのは、Dynamic Devices AG社の創設者でもあるロボットスペシャリストのマックス・ルンゲレラ氏とラジャー・ドラビッド氏の2人です。業界ではすでに有名な存在である両氏は、チューリッヒ大学の人工知能研究室におけるロボットシステムの研究を経て、2007年にAllegroの最初のプロトタイプを完成させました。
二人の当初の目標は、スポーツ選手のためのハイテクマシンを作ることでした。あらゆるトレーニングを管理して分析し、その結果をもとに次のトレーニングを提案することができる高ダ ダイナミック性能のマシンを作ることを目指していたのです。このマシンのカギを握るのは、大きいパワーでも即座にペダルに伝達できる空気圧式の人工筋肉です。この人工筋肉のおかげで、さまざまな効果的なトレーニングを柔軟に構築することが可能になるのです。
例えば、ペダルを足で押したり引いたりすることで、画面に表示される線にできるだけ姿勢を近づけるようにするトレーニングがあります。トレーニングの強度はコンピュータ制御によって弱まったり強まったりします。この変化は徐々に起こることもありますし、急激な場合もあります。これに合わせて足を伸ばしたり曲げたりするため、トレーニングする者にはなかなかきつい運動ではあります。しかしこれは、身体だけでなく脳も一緒にトレーニングする極めて効果的な運動でもあるのです。「当社のシステムは動的な相互作用を促します」マックス・ルンゲレラ氏は言います。このマシンは2人の開発者が当初推定していたよりさらに大きな効果をもたらすことが明らかになります。

「当社のシステムは 身体と脳の動的な相互作用を促します」
マックス・ルンゲレラ氏 Dynamic Devices

このマシンが神経筋の疾患や整形外科系の不調がある患者に良い効果をもたらすことが分かったのは、むしろ偶然によるものでした。それまで足を全く動かせなかった人達が、Allegroに座ると足を動かせるようになるということが起きたのです。また、脳卒中患者も運動機能回復の過程でこのマシンにより短時間で大きな進歩を遂げたことが確認されました。この効果についてはすでに研究がなされ、実証されています。このような状況のもと、2人の開発者はこのソ ソフトロボット型トレーニングマシンを、主にリハビリテーション用マシンとして特化させることに決めました。ここでマクソンの登場です。

Allegroが医療機器として認可を得るには、安全上必要不可欠とされている条件がひとつありました。それは、レッグプレスが一定の角度を超えるのを防ぐための調整可能なストッパーです。特に、膝を完全に曲げることができない患者にとって、この安全措置は非常に重要になります。そして、この安全ストッパーの位置をそのつど調整するのがブラシレスDCモータ、EC 45 flatです。ドライブシステムに求められる最も重要な要件は、ずばり信頼性の高さでした。「マクソンを使うにあたっては、この要件が満たされているかどうかを心配する必要はありません」ルンゲレラ氏は言います。同氏はその他にも、マクソンのコンパクトな形状、そして電子回路内蔵式フラットモータなどが重要なポイントであると述べています。

ドライブシステムと制御ユニットの効果的な組み合わせ
もうひとつのマクソン製フラットモータ、EC 90 flatはシートの自動調整に使用されています。Dynamic Devices社ではこのブラシレスモータにプラネタリギアヘッドとサーボコントローラESCON 50/5を組み合わせて使用しています。マクソン製のドライブシステムはトレーニングマシンの重要な構成要素のひとつであり、患者の快適性と安全性に寄与しています。

遊び心があるアプローチが好評
Dynamic Devices社はまだ若い会社ですが、すでに注目すべき業績をあげています。技術者、科学者、医者、療法士が相互に協力し合うことで生まれたトレーニングマシンAllegroは、運動感覚を高めたいと望む多くの患者に希望を与えています。Dynamic Devicesの成功の裏にあるのは、これまでリハビリテーション分野であまり重視されていなかったことに焦点を当てたことです。Allegroに座る人は辛くても全力で厳しい訓練をこなさなければなりません。回復したい、より高い数値に達したいと自ら強く願う人がゴールに早くたどり着くことができるのです。そこで、患者のモチベーションを高めることが非常に重要であると考えたDynamic Devices社は、遊び心を持たせることに大きな価値をおきました。このマシンではペダルを操作すると画面のペンギンがお腹を下にして斜面を滑って行くようになっています。患者が多くのポイントを取得しようと熱中することできついリハビリの苦しさを忘れ、トレーニングを楽しくスムーズに進めることができるようにしているのです。

いくつかの医療施設やリハビリセンターではすでにこの新しいロボット式トレーニングが導入されており、その数は今後も増えていく見通しです。その次のステップとしては、このシステムをヨーロッパ全域に広める構想があります。またこれと並行して、マックス・ルンゲレラ氏とラジャー・ドラビッド氏はこのソフトロボット式トレーニングマシンのさらなる高性能化に取り組んでいます。なぜなら2人に“後退”のオプションはないからです。

 © maxon motor ag

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