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アシナガバチから学ぶ

アシナガバチと脳の手術。この二つがいったいどう関係しているというのでしょう? 実のところ、両者の間に多くの関係性はありません。しかしイギリスのある研究チームにとっては、特定の種類のアシナガバチが脳外科手術用針の開発における理想的な見本となっています。

今日の脳神経外科では、腫瘍の薬剤治療には硬質の細いカニューレを通して薬剤を脳内経路に注入するやり方が一般的です。 しかしこの時、健康な組織を損傷するリスクは非常に高くなっています。 なぜなら、この硬質のカニューレはあくまで直進経路をたどって脳内の目標エリアに到達しなければいけないからです。 柔軟性のある手術用ツールは、この問題の理想的な解決法と言えるでしょう。

ここで一役買っているのが、ロンドン・インペリアル・カレッジです。 同カレッジのロドリゲス・イ・バエナ教授をリーダーとするチームは、脳内の奥深い領域に到達できる、折れ曲がり可能なロボット針の開発を目的とするプロジェクトを過去数年において展開してきました。奥深くに進入できるというだけではなく、この針は同時に脳内の重要な領域を回避しなければいけません。 若手研究員が集まったこのチームは、繊細でありながら極めて強力な産卵管で樹皮の下に産卵するメスのウッドアシナガバチの特別な仕組みを模倣しています。プロジェクトネームSTING(Soft Tissue Intervention and Neurosurgical Guide、軟組織介入・神経外科ガイド)のもと、同チームの科学者らはある試作品を開発しました。この試作品は4つの部分で構成されており、総直径は2.5 mm。パズルに似た構造の歯車機構によって組み合わされた状態で保持されています。そしてマクソンの駆動装置が、これらの部分の前進・後退動作を可能にしているのです。

システム一式を提供

リカルド・セコリ博士はインペリアル・カレッジの研究チームメンバーです。 同チームはこの用途のために、プラネタリギアヘッドGP22付きマクソンブラシレスフラットモータEC20 flatを選択しました。 また、位置制御ユニットEPOS 24/2を使用し正確な制御を実現しています。 「こうした選択の決め手となったのは、API (アプリケーションプログラミングインターフェース) へのアクセスが容易であるという点です。 しかも、マクソンはこのためのシステム一式、つまりモータ、ギアヘッド、コントローラなどを 一手に提供している唯一のメーカーでもあります」とセコリ氏は述べています。

同チームは2016年初めにEUの研究革新プログラム「ホライズン2020」から補助金として830万ユーロを受け取りました。 コードネーム EDEN2020 (Enhanced Delivery Ecosystem for Neurosurgery, www.eden2020.eu) を冠するこの新プロジェクトは、2020年までに神経外科の診断・治療分野で新たな標準を確立することを目指しています。

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