NASA探査車「パーセベランス(Perseverance)」と共に赤い惑星へと旅立つmaxonドライブ

NASAが5台目となる探査車(ローバー)を火星に打ち上げるまで、あと数週間となりました。この探査車のミッションは、地球へ持ち帰って分析するための土壌サンプルを採取することです。探査車には、赤い惑星と呼ばれる火星の空を初めて飛行することとなるヘリコプターも搭載されています。maxonの高性能DCおよびBLDCモータは、このミッションにおいて非常に重要な任務を担っています。

maxonのドライブシステムは、火星において不可欠な存在です。事実、過去30年に成功を収めたすべてのロボットミッションには、スイスを拠点とする同社の電子モータが採用されてきました。火星にはすでに100台を上回るmaxonモータが存在します。今回のNASAのミッションが7月17日に開始されれば、その数はさらに増えることになります。今回のミッションでは、アトラスVロケットで探査車を火星に送り、かつてそこに存在しただろう生命体の痕跡の発見が試みられます。今回のミッションの最も重要な任務は、土壌サンプルを採取し、これを容器にしっかりと密封して決められた場所に配置し、後のミッションで地球に持ち帰ることができるようにすることにあります。探査車内部においてサンプルを取り扱う場面では、複数のmaxonのモータが使用されます。たとえば、ステーション間でサンプルを運ぶロボットアーム内にもmaxonのモータが取り付けられています。また、サンプル容器の密封および配置にも、maxonのモータが使用されます。


今回のミッションを主導するNASAのジェット推進研究所(JPL) は、探査車向けのモータ10台をmaxonに発注しました。発注されたモータは、これまでの火星探査でもほぼ毎回用いられた標準製品を基本とし、これに改造を施したモータです。今回、ブラシレスDCモータが初めて採用され、9台のEC 32 flat と1台のEC 20 flatが、プラネタリギアヘッドGP 22 UPと組み合わせて用いられることになりました。maxonのエンジニアはJPLの専門家と密接に連携し、数年にわたりドライブの開発に専念し、綿密な試験を行って最高の品質基準を達成してきました。「このエキサイティングなプロジェクトを通して、私たちは非常にたくさんのことを学ぶことができました。」こう語るのはmaxon SpaceLab所長のロビン・フィリップスです。「今日私たちは宇宙に関する幅広い知識を持ち、産業界の期待を満たす品質プロセスを構築してきました。これにより、医療分野など、一部の要件が共通する、異なる産業分野のお客様にもこのノウハウをご提供できるようになりました。」宇宙でのミッションにおいて、ドライブシステムは非常に厳しい要件を満たす必要があります。ロケット打ち上げ中の振動、飛行中の真空空間、着陸時の衝撃、さらに-125 ℃~+20 ℃の温度変動が生じ、至るところから粉塵が侵入する火星表面の過酷な状況にも耐えられなければなりません。


火星のヘリコプターを制御するmaxon DCモータ

探査車パーセベランスは、2021年2月18日に火星に着陸の予定です。しかし今回着陸するのは探査車だけではありません。車体下部には、インジェニュイティ(Ingenuity)と名付けられたヘリコプター型ドローンが取り付けられています。太陽電池を搭載した重量1.8kgのこのヘリコプターは、複数回の短距離飛行に対応し、航空写真を撮影する性能を備えています。今回の実験は主に、他の同様のドローンのコンセプトを試験することを目的としています。ドライブスペシャリストであるmaxonは、このヘリコプターの開発にも携わってきました。直径10 mmの6台のブラシ付きDCXモータがロータブレードのピッチ角を制御し、これにより飛行方向も制御します。このドライブは非常に軽量かつ高トルクで、高エネルギー効率を発揮します。火星を飛ぶヘリコプターは、わずか1 gの違いにおいても多大な影響をもたらすため、これらの特性は非常に重要となります。火星で飛行するということは、決してたやすいことではないのです。火星の大気は非常に希薄であり、地球の高度30 kmあたりの気圧に相当します。JPLラボでのシミュレーションテストでは、このヘリコプタードローンはすでに飛行に成功しています。火星でも飛行できるのか、まもなく実証される時がきます。ただし、その前にロケット打ち上げなど、その他の難関を乗り越えなければなりません。「すべてが順調に進み、我が社のドライブがまもなく火星で活躍することに期待しています。」とmaxonの最高経営責任者であるオイゲン・エルミガーは語りました。「すべてがうまくいくことを願っています。」

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